ふるさと納税という単語は広く知られている。その認知度は全納税可能年齢層のうち9割以上という調査結果もあるほどだ。
しかし、独立行政法人経済産業研究所の調査によるとふるさと納税の認知度は96.8%なのに対し利用率は37.6%で、税制優遇施策全体の中では高いものの知名度のわりには利用者は少ないと言える。
ふるさと納税は好きな自治体を応援する目的であり、商品ではなく返礼品を得る内容だが、ユーザーからすれば好きな品を敷居を低くして手に入れられるのは確か。
それにも関わらず認知度のわりに利用率が低いのはなぜか。
ふるさと納税という単語は広く知られています。
しかし、実際に利用したことがある人は、独立行政法人経済産業研究所の調査によるとふるさと納税の認知度は96.8%なのに対し利用率は37.6%で、税制優遇施策全体の中では高いですが、知名度のわりには利用者は少ないと言えます。
ふるさと納税は好きな自治体を応援する目的であり、商品ではなく返礼品を得る内容ですが、ユーザーからすれば好きな品を敷居を低くして手に入れられるのは確かです。
それにも関わらず認知度のわりに利用率が低いのはなぜでしょう。
1. ふるさと納税が「そもそもどうすれば良いか分からない」
単語は知っているけど、いざやろうとすると調べるのに腰が重たい。というのが実情です。
ふるさと納税を知っていてやらない人の大半はこの理由です。
また、所得が高いほど同制度について調べる傾向がありますが、所得が低いほど「メリットが低い」と判断され調べることなく終わってしまうことが多いです。
市民らは単語は知っているけど、いざやろうとすると調べるのに腰が重たい。というのが実情。
ふるさと納税を知っていてやらない人の大半はこの理由だ。
所得が高いほど同制度について調べる傾向があるものの、所得が低いほど「メリットが低い」と判断され調べることなく終わってしまうことが多い。
所得税や住民税の支払いがない・低い人は事実上対象外
制度について詳しく知っていても、所得税や住民税が免除されているなどして支払っていなければ、メリットがありません。
このように他の税制優遇全体に共通する理由もあります。
やり方がわかっていても面倒くさい
ふるさと納税制度はiDecoやNISAといった税制優遇制度のひとつです。他の税制優遇施策と比べ、金融や資産運用といった「難しそう」と思われにくいふるさと納税。それでも手続きが簡単とまでは言い難い。
ふるさと納税のポータルサイトやサービスを扱うサイトでは、やり方について丁寧に説明をしている。それでも一般的なECプラットフォームでは「ワンクリック購入」が当たり前となっているため、それらと比べると手間が掛かるという印象がある。
まとめ
ニッセイ基礎研究所の調査によると年収が700万円以上のうち、ふるさと納税をしなかった人の理由は「知っているが必要性がない」「手続きや仕組みが面倒」が「制度の仕組みを知らない」を上回り6割以上だった。
ふるさと納税は税制優遇制度の中では比較的わかりやすく、日常に溶け込んでいる認知の高い制度。
一方で制度の名称は納税者の9割以上が知っているものの、その中身までは多くの人がまだ知らない。というのも実情。
制度について詳しく調べている、比較的所得が高い層でも「必要性が無い」「手続きが面倒」などの理由から制度を利用しない人が多く見られる。
通常のECプラットフォームでは「ワンクリック購入」や「ポイント特典付与」が当たり前になっていることもあり、国の税制管理の上で仕方ないとはいえ煩雑と捉えられてしまっている面がある。
ふるさと納税をする側も、提供する側も、もう一歩「ふるさと納税」について詳しくしる・知らせる機会が必要かもしれない。
以下、参考文献
・FINANCIAL FIELD編集部.やってる?「ふるさと納税」。思っていたよりもお得と感じた人が8割以上!.FINANCIAL FIELD.2022-12-22.(参照日:2023-11-27)
・小西 葉子 上席研究員/株式会社インテージリサーチ 伊藝 直哉 伊藤 千恵美.ふるさと納税の現在地~2つの調査結果より.独法)経済産業研究所.2022-11-17.(参照日:2023-11-27)
・保険研究部 准主任研究員 岩﨑 敬子.ふるさと納税をしない理由.独法)経済産業研究所.2022-03-25(参照日:2023-11-27)
いかがでしたでしょうか。
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