茨城県鹿嶋市立鹿島中学校は2月15日、生徒らが考えたふるさと納税返礼品アイデアを市長や関係事業者らに提案する最終報告会を行った。
返礼品考案授業から発表実施の報告会へ
同報告会は総合的な学習の時間を使い、ふるさと納税の返礼品を考案し市内外の関係者に提案するという授業の一環で行われた。同中学校一年生はこれまで一年間を通し、調査、考案、中間報告等を行ってきた。
報告会では田口伸一市長をはじめ、行政担当者、教育委員会、事業者ら数十人が集まり、生徒たちの発表を参観した。
当日訪れた事業者を含めたふるさと納税関係事業者75社に本年度3月中旬ごろまでに冊子として送付し、採用検討をしたい事業者を募る。
立候補する事業者があれば、具体的な返礼品化に向けて市と調整していく。
田口市長は講評で「中学生ならではの柔軟な考えだった。情熱があることが伝わってきた」と述べたほか、参加した事業者に向けて「1品でもいいので、採用をよろしくお願いしたい」と伝えた。
発表したのは一年生で構成される計15グループ。一年間を通してふるさと納税の仕組みや意義などを学んだ上で、それぞれのグループごとに市場調査、ターゲット選定、具体的な返礼品の開発提案書を作成した。
提案内容は鹿嶋市の特産品やそれを用いた品、地元をホームとするサッカーチームの鹿島アントラーズの関連品、有名観光地である鹿島神宮の関連品、体験型返礼品など、多岐にわたる。
特に体験型ふるさと納税返礼品提案では「鹿嶋市のファンになってもらうため」と、本来のふるさと納税の意義から考えられた内容もあり、参加事業者からも「単なる売れる品、ではなく鹿嶋市に来てもらう、ファンになってもらう方向性で考えられているものが多いと思った」などの感想があった。
体験型ふるさと納税案では、地元の大きなお祭りである「祭頭祭(さいとうさい)」への参加を返礼品に、という提案もあった。
「祭頭祭は、小さな子供連れでも一緒に参加できる」「映える衣装が特徴で、衣装も現地で貸し出しができる」「写真撮影やお守りのプレゼントも」など、通常であれば外部から参加するには敷居が高いと思われるイベントに、手軽に参加できるよう工夫された内容もあった。
特産品を用いた返礼品提案では、海鮮パエリアを提案したチームもあった。
鹿嶋市は海の幸も陸の幸もある土地柄。ふるさと納税ポータルサイトで検索してもパエリアは1件もなく、かつマイナー過ぎる単語でもないことから、キーワードを独占できると考えて品を選定していた。
そのほか、中学生からの手書きメッセージを添えた品を設定し、返礼品を通してファン獲得や高齢層に訴求するなどユニークな提案もあった。
同事業は、中学生の地元理解を深めるための授業の一環として行われている。生徒らも通常の授業に比べて自発的に動き、より活発な意見交換が行われるなど、効果が出ていた。
鹿嶋市は今年度よりふるさと納税戦略室を立ち上げるなど、ふるさと納税額の向上とさらなる進化を目指している。
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