額で競わずファン獲得で競うふるさと納税の新たな潮流 ~岡崎市の場合~

ふるさと納税の担当者はもちろん、自治体の関係者であればよく知られている事実として「ふるさと納税は自治体を応援するものではなく、返礼品欲しさに行うもの」というものがある。

返礼品で競う場合、返礼品の質や内容が変わってしまうと自治体には何も残らない。

返礼品ありきではなく、ファンとして自治体を応援したい人を惹きつけることができれば、ふるさと納税以外でも自治体に寄与してくれるようになるのは間違いない。

ではファン獲得のために活動する自治体は、どのような手段を用いているのだろうか。

愛知県岡崎市はふるさと納税も含めた様々な方法でファン獲得をするため、官民連携の団体を作って取り組んでいるので例として記述しよう。

目次

ファンが増える!?岡崎市のファンづくりプロジェクト

岡崎市はファン作りを目的とした行政と市民が協力する団体として「岡崎市地域店舗ファンづくり推進委員会」を2022年に立ち上げた。
同団体は市が事務局となり、商工会や観光協会などがメンバーとして参加している。

岡崎市に所縁が深い徳川家康の大河ドラマの放映決定を機に「大河ドラマで終わりではなく恒久的なファンを作ろう」という目的で設立された。
ファンづくりを推進する活動のうち、目標のひとつとしてふるさと納税の振興も盛り込まれている。

その施策のひとつとしてこの度、本来市民のみが参加できる「家康行列隊列参加チケット」をふるさと納税の返礼品として出品した。

モノではなくコトの返礼品を設定することで、ファン獲得を狙う。

同イベントは春に行われる岡崎市の恒例行事で、毎年多数の観光客が来訪する一大イベント。
2023年にNHKで1年間放映された大河ドラマ「どうする家康」の影響で、昨年は観覧者が激増した。

特別枠を除き、市民以外の一般から参加を募ったのは、同イベントが始まった1959年以来初めてで、返礼品として設定されているのは寄付額32万円から139万円までの3種類計5名。

寄付額に応じて大将や武将といった役割で行列に参加ができる。

本来、これらの枠は市民のみから選ばれる。市民らが立候補し、厳正な審査を経て決定される。
今回は市民枠の増減はなく、市外からも参加できる枠を新たに設けた。

申込み期間 【2024年3月5日まで】 ※申込み期間は終了しました

詳細はこちら https://www.city.okazaki.lg.jp/houdou/p040281.html

同イベントは、2024年4月7日(日)に開催予定だ。徳川家康公には俳優の佐野勇斗さんが内定している。
総合MCには岡崎市出身のフリーアナウンサーの青木源太さんが特別出演するなど、著名人も多数起用して観光客獲得を目指している。

同市は著名人や人気Youtuberなどを多く輩出し、地元を盛り立てようと支援する著名人も多いことでも知られている。

「岡崎市地域店舗ファンづくり推進委員会」は、ふるさと納税以外でも様々な活動を通して同市のファン獲得を行っている。
ふるさと納税についても振興することが目的のひとつとなっていて、東京での出展や雑誌掲載などを通し、岡崎市の返礼品や市の魅力を広めている。

また昨年同期比(2024年1月末時点)でふるさと納税額1.3倍を記録した。

このように岡崎市は「ファンづくり」をキーワードに、大河ドラマのきっかけから一過性の流行で終わらせないように継続的な取り組みをしてることが結果としてあらわれている。

いかがでしたでしょうか。
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