道民に洞爺湖のイメージを聞くと、「観光したり、花火を見る場所」と答える人が多く、「美味しいグルメを楽しむ場所」という印象を持っている人は少ないのではないでしょうか?
しかし、ここ10年間くらいで洞爺湖は「美食の街」というイメージに変わりつつあります。洞爺湖に移住する人が増え、意欲的な美味しいレストランを開く人たちが出てきたからです。
2021年6月に洞爺湖温泉街にオープンしたイタリアンのラゴルトもその一つ。
真狩村のレストランで働いていた女性二人が独立して作ったイタリアンレストランで、北海道の洞爺湖近隣の農家さんから直接仕入れた道産野菜を使っています。
「野菜嫌いでも食べれる調理」を合言葉に、道産野菜をふんだんに使ったピザやパスタなどのメニューは地元の人や観光客からも好評です。
女性2人で洞爺湖に移住して、レストランを開いているラゴルトの魅力に迫ってみました。
1.イタリアンレストランのラゴルトとは?
ラゴルトは、北海道伊達市出身の木村香葉子さん(オーナー)と名古屋出身の利光優子さん(料理長)が2021年に始めたお店です。
ラゴルトはオープンしてから2年が経つのですが、地元客からも観光客からも人気を集めています。その人気の秘密は道産野菜を使ったメニューとリピートしやすい値段です。
仕入れ先は洞爺湖周辺の農家さんや自分達の農園があり、鮮度抜群の道産野菜を使っています。
値段も地元のお客様に来てもらいたいという考えから、週に何度も通える値段設定になっています。ラゴルトのお2人も飲みにいくのが好きだそうで、自分達が飲みに行く洞爺湖のお店も参考にして、控え目の価格設定にしました。
両方の努力が功を奏し、観光客や地元の人から愛されるお店になっています。
2.ラゴルトの店内
ラゴルトは、洞爺湖温泉街の中で西側のホテルが多くある場所に位置しています。
近くに洞爺湖万世閣ホテルやTOYA乃の風リゾートがあり、洞爺湖温泉街に泊まった時にランチやディナーで足を運びやすい場所です。
お店の前にはイタリアンレストランらしく、イタリアの国旗がはためいていました。
お店の中に入ると、ウッディーな木を基調にした温かみのある店内です。
ラゴルトの店内で目を引くのは壁際の黒板です。
野菜を取り寄せているファーム(農園)や生産者さんの名前が書いてあり、食べる前から道産野菜を食べるワクワクを感じさせてくれます。
3.道産野菜の衝撃的な美味しさを感じるピザ
ラゴルトの店内に入ると、待ちきれなかったので、さっそくメニューをめくって注文をしてみました。
料理長の利光さんに聞くところ、名物のメニューのパスタは「アラビアータ」と「ゆり根とベーコンのペペロンチーノ」。ピザは「和風長いも」と「ゆり根」だそうです。
どれも洞爺湖や近隣の市町村でとれた地元の野菜をふんだんに使っています。
それでいて、単品メニューは900〜1,200円台前後の値段です。
1回の注文では選びきれないほど美味しそうなメニューがたくさん並んでいるので、複数人でたくさん頼んで、シェアをしたくなります。
その中でも、今回選んでみたのが、「和風長芋」のピザランチセットです。
洞爺湖の原田農園さんの長芋が使われていて、自家製のにんにく醤油が売りなんだそう。
「ピザに長芋?」という聞いたことのない組み合わせが気になり、選んでみました。
運ばれてきたピザを見てみると、とても具沢山!長芋、きのこ、ハーブチキン、玉ねぎ、海苔などがドッサリと生地の上に乗っています。
口に運んでみると、ピザと思えない食感が第一印象で伝わってきました。
長芋のトロッとした舌触りとシャキシャキした食感がピザ生地の上で味わえるのです。長芋のねばり気がピザの上にかかっているにんにく醤油ソースに絡み、意外な組み合わせの美味しさにびっくりしました。
玉ねぎはからさがなく、甘みを感じるほどで、「野菜本来の美味しさってこんな味だったのか!」という感動があります。
ハーブチキンやきのこのしめじも旨味があって美味しく、一気に食べてしまいました。
チーズが少ないので、本当に野菜の味を十分に楽しめるピザです。
まさか長芋のねばり気をピザで堪能できるとは思わず、いい意味で衝撃を受けました。
ランチセットには、サラダもついています。こちらもカリカリのジャガイモが美味しく、じゃがいもの甘味ある風味が口の中に広がりました。
不思議だったのはベーコンだと思って食べた野菜です。実は赤大根らしく、揚げるとこんな感じの色味になるそうです。
赤大根も口の中でジューシーな甘みがありました。
こんなに美味しい野菜なら、野菜嫌いな子どもも大好きになるのではないでしょうか。
あとでラゴルトのお二人にお話を伺うと、夏はもっとサラダの品数が増えるそうです!
「夏は美味しい葉物野菜がたくさん採れるので、ミニサラダには13種類も乗せることがあります。繁忙期なので忙しいんですけど(笑)でも、お客様においしい野菜を食べてほしくて頑張っちゃうんですよ」
オーナーと料理長のお二人は、苦労を笑顔で語ってくれました。
ラゴルトを営業しているお二人にインタビュー
北海道伊達市出身の木村香葉子さん(オーナー)と名古屋出身の利光優子さん(料理長)が2021年に始めたお店のラゴルト。
元々、共通の友人を通して知り合いだった2人ですが、一緒に働くようになったキッカケは、伊達市出身の木村さんが北海道の真狩村のファームレストランで働いていた時です。
「お店がシェフを探している」と聞き、「北海道に住みたい」と言っていた名古屋のシェフの利光さんを木村さんが思い出し、呼び寄せたところから始まりました。
その後に二人で独立しようと話し合い、木村さんが前から好きだった洞爺湖温泉に出店を決めます。
洞爺湖町が支援しているチャレンジショップ支援事業という制度も利用し、2021年のコロナ禍の中で洞爺湖温泉にラゴルトはオープンしました。
お店がイタリアンになったのは偶然だったと言います。
「最初は野菜を活かし、二人が作りたかったピザとパスタのお店にしようとしたんです。でも、イタリアンと名乗るほどメニューはありませんでした。
でも、オープンしたら、お客様がGoogle Mapsにうちの店をイタリアンレストランと登録したので、そこからラゴルトはイタリアンレストランになったんです(笑)」
料理長の利光さんは笑いながら、イタリアンレストランになった経緯を語ってくれました。
ラゴルトの2人は語ります。「お金持ちになりたいわけじゃないんです。自分達のやりたいことで、普通に暮らせるくらいの稼ぎと楽しめる時間を持ちたくて、お店を始めました」と。
「でも、お店を開いてみたら、繁忙期の夏はお店が忙しすぎて、朝から晩まで働いてます。だから、夏は自分たちの時間がないんです。ありがたいんですけど(笑)」
とオーナーの木村さんは笑っていました。
ここまでラゴルトが人気なのは、お二人の料理へのこだわりとお客様に喜んでもらいたいという気持ちが伝わるからなのでしょう。
繁忙期の夏は料理長の利光さんが朝の6時台に来て、人気のトマトソースを仕込むそうです。
料理に使う野菜の一部は、オーナーの木村さんの実家が北海道伊達市の農家なので、自分達の農園で作っています。農家のお母さんに農園の面倒を頼み、自分達の手で週1回収穫しに行くとのこと。
お二人の「お客様に美味しいものを食べて喜んでもらいたい」というこだわりこそが、ラゴルトの美味しさの秘密なんだとインタビューをしてて強く感じました。
最後に
ラゴルトのお2人は、洞爺湖を好きな気持ちは、洞爺湖にお店をオープンしてからより強くなったと語ります。
洞爺湖温泉街には同世代の移住者が多く、何かあったら助けてもらえる人の繋がりが強いそうです。
さらに、お2人は語ります。「洞爺湖には自分のやりたいことをやる人が多いんです」と。
だから、いま洞爺湖には美味しいレストランや面白いお店が増えているのではないでしょうか。
洞爺湖温泉街のいいコミュニティーと好きなことを追求する姿勢が、洞爺湖を注目の美食の街に変えているエンジンなのかもしれないと思いました。
洞爺湖温泉街に足を運んだときは、ぜひラゴルトに行ってみてください。
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