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サメ映画で町おこし

町おこしには正解はない。

町おこしと言っても規模や状況によって、やれることも効果のあることも異なるだろう。

それゆえ、様々な町おこしがこの世には存在する。

目次

架空の街「S県暑海市」が舞台

今回紹介する町おこしは、一風変わった攻め方をしている町おこしだ。

PRTIMESによると株式会社PLAN A(本社:静岡県熱海市)は、映画『温泉シャーク』のクラウドファンディングで1104万6100円資金調達。

とある。

映画や撮影による町おこしは事例が多数あるが、何が一風変わっているかというと、これがサメ映画という点だ。

静岡県熱海市の風景

キーワードは、「ジャンル=サメ映画」

サメ映画というと日本ではジョーズやディープブルー、MEG ザ・モンスターなどのスリラー映画を思い浮かべる人が多いかもしれない。

ところが一部界隈ではアクションやスリラーではなく「サメ映画」という独立したジャンルとして扱われている。

そして大抵の場合、サメ映画とは「B級以下の映画」や「クソ映画」などとして、面白おかしく見る対象として扱われており、サメ映画発祥の地ともいえるアメリカでもそういう扱いが定着している。

それは、サメ映画が低予算・低クオリティあるいはギャグ映画として大量に制作されたことが理由になっていて、サメ映画が大成するのはごく一握りで、ほとんどのサメ映画は人知れず制作・公開されて消えており、一部の「サメ映画」のコアファンによってコミュニティが維持されている状態にあるためだ。

日本でサメ映画が流行る理由

世界でサメ映画(B級以下)が最も流行っているのは日本だと言われている。

温泉シャーク
(引用元:ネットで話題騒然「温泉シャーク」最新映像公開 巻上公一が出演、平沢進が特殊音響効果を担当-映画.com

アメリカで大量に制作され、日本で最もそれらは消費されている。日本では動画共有サイトを中心にサメ映画をネタ目的で視聴するようになり、多くの需要が生まれた背景がある。

サメ映画というのはいわばネットミームのひとつであり、それを元にサメ映画を作ること自体が注目を浴びる理由だ。

このプロジェクトのキーメンバーになっている「サメ映画ルーキー氏」はサメ映画専門のバイヤーでサメ映画学会なる組織の長も務めているサメ映画界の大物と言える人物。当然、扱うサメ映画も大手配給会社が取り扱う一般の方々が知っている映画ではなく、主に低予算映画を取り扱っている。

そもそも映画の制作において1000万円というのは低予算を通り越して極低予算である。そう、このプロジェクトもA級の映画を作る目的はそうそうになく、ネットミームを元にした話題の創出を目的にしている。

もしこの映画プロジェクトが単なる熱海市を舞台にした町おこしムービーであったら、こんなに寄付が集まったり話題になることは無かったかもしれない。

良し悪しは、工夫次第

コンテンツというものは、大きなお金を掛けるほど良いものが作れて話題性が生まれる。というのはもちろん当然あるとしても、少し見せ方やターゲット、あるいは選ぶ話題を替えるだけで話題を作ることができる。

世の中に広く知らしめたり、多くの人へ訴求する必要はなく、ごく一部に絞って、完全に特化した強力な話題を持ち込むことでプロジェクトを成功させる余地はある。

1000万円という額は、まともに映画を作るには極低予算だが、特定のターゲットに絞った話題性を確保するためなら十分すぎるほどの予算でもある。

なお「サメ映画」の中には山や陸を移動したり、空を飛ぶサメが出てくるものもある。今回は熱海を模した町が舞台であるが、その気になれば海がない市町村でもできてしまうのがサメ映画だ。

あなたの町でもしサメ映画を作るならどうするか。考えてみるだけでも想像力が上がるかもしれない?

いかがでしたでしょうか。
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