旅行の計画をたてていますか?
2024年に入り、インバウンド旅行者だけでなく、円安の影響による日本人の国内旅行の需要も非常にあがっており、観光地では賑わいを見せております。(一部では、日本旅行の需要に対して外国語対応ができないやそもそも人手が足りていないなどの問題もありますが…)ただ、確実に日本観光は、盛り上がりを見せています。
一方、観光需要が爆発することでオーバーツーリズムが問題視されています。観光客の増加による環境への負荷や地域住民への迷惑など、様々な課題が浮き彫りになっています。
こうした状況下で注目されていたのが、アンダーツーリズムと呼ばれる観光の考え方です。
アンダーツーリズムとは、世間一般的にはメジャーな観光地を避けて旅をすることや穴場スポットやまだ知られていない観光地のことを指します。ただ同じような考えをもつ旅行者が増えればまたオーバーツーリズムとなるのでかなり「いたちごっこ」な問題です。
新たな考え方「サステナブルツーリズム」
サステナブルツーリズムをするとどのようなメリットがある?
- 環境への負荷軽減
観光人口(客数)をあえて減らすことで、自然環境への負荷(CO2排出の過多、土地開発によって起きる森林伐採や干ばつ)やごみの排出量などを減らすことができます。
- 地域住民との共存
観光客と地域住民の交流が深まり、互いを理解し尊重し合う関係を築くことができます。
- 観光客の満足度向上
混雑を避けることで、観光客はよりゆっくりと観光を楽しむことができ、満足度が向上します。
- 地域経済の活性化
地域住民が主体をもつことで観光事業が発展していき、地域経済の活性化につながります。
実践するにはどうすればいい?
サステナブルツーリズムを旅行者が実践するには、以下のような方法があります。
- 観光客数がコントロールされた場所に立ち寄る
オーバーツーリズムを意識された観光地では、入場制限や予約制を導入するなど、観光客数をコントロールしてる場所があるのでホームページや予約サイトなどをチェックしよう。
- 観光客の分散
人気観光地以外にも魅力的な観光スポットをスマートフォンやPCを利用してSNSによるクチコミや特集を探して穴場スポットをみつけ観光分散ができるようにする(アンダーツーリズムの概念)。
- 環境に配慮した観光
エコツアーや自然観察ツアーなど、環境に配慮した旅行計画をたてる。旅行先でゴミを出したりしないような配慮を心がけゴミ袋を持参する、エコバックを用意するなども忘れずに。
- 地域住民との交流
地域住民との交流プログラムやワークショップなどに積極的に参加することも良く、大規模なイベントやお祭りをあえて避けて商店街を散歩する、その土地のご当地スーパーに立ち寄るなどをしてみては…。
観光地をまもる、大事にする事例
サステナブルツーリズムを実践している観光地は、世界各地にあります。
- ストックホルム(スウェーデン)
北欧ときくとスウェーデン・ノルウェー・デンマークと出てきて皆さんが考えるのは、森林や湖などのイメージがぱっと浮かぶのでは?実はSDGsへの意識は高く、地下鉄や電車、バスなどの公共交通機関は100%再生可能エネルギーで、観光するにも電動キックボードを推奨してる国なんです。日本にも増えてきてはいますが、乗り捨てできる場所も多く利便性は高いのもポイントなのですが、なにせレンガ造りの歴史的な建築物を見ながらの観光は爽快です。
- ブレハ島(フランス)
フランスも観光地の集中化が問題とされており、国全体としても20%エリアに観光客が集まっている状態だったが、2023年6月に観光分散の対策を出して状況が変わった。まずは観光データを収集し、自国エリアの正確なオーバーツーリズムの状況やピークシーズンの訪問者数などを割り出して、一極集中させないようにインフルエンサーを利用して分散させている。特にブレハ島では、一日訪問者数を4,700人と限定させるなどの取り組みもおこなうなどかなり積極的。
- 鎌倉(日本)
ちょっと昔は大仏で有名。今は、漫画やアニメロケーションいわゆる「聖地」として訪れる国内旅行者だけでなく、いまやインバウンド観光客も多い日本の観光地。詳しくは、下のサイトを見てね。
一方では、こんなケースもあったり
- マチュピチュ(ペルー)
世界的にも有名な観光地。ここもやはりオーバーツーリズムが問題で、訪問者数を管理するために電子チケット販売のプラットフォームを導入により効率化をはかって、コロナ禍から徐々に観光客の回復を目指して1日あたり上限訪問者数を2024年には4,500人(前年は3,800人)を増やしバランスを計ろうとしてたが、このシステム会社の独占にあたり地元企業や旅行組合や旅行会社もちろん地元住民含めた大規模ストライキにより、一時的に閉鎖され訪問できなくなるケースも。
まとめ
サスティナブルツーリズムは、環境や地域社会への負荷を軽減し、持続可能な観光を実現するための重要な考え方です。観光客一人ひとりが、オーバーツーリズムになるとどうなるか、アンダーツーリズムに集中するとどうなるかなど考え方になると共感し、実践することで、より良い観光地を作っていくことができるでしょう。
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