ふるさと納税の担当者の困りごととはなんだろうか。
そのトップ3は「PRノウハウがない」「寄付額が伸びない」「50%ルールの対応」だった。
担当者目線で2024年度のふるさと納税課題は?
PRTIMESとNAVICUSが行ったふるさと納税担当者(自治体・返礼品事業者)向けに行ったアンケートによると、課題に感じている点のトップは『PRノウハウの不足』で、全体の約4割の37.5%を占めた。続いて『寄付額が伸びない』が33.3%、『50%ルールのやりくり』が16.7%だった。
上司を説得できない、マンパワーが足りないといった課題もあるが、いずれも10%にも満たなかった。ふるさと納税は寄付額が上がるほど自治体の独自の予算にアドオンで加えられるため、自治体にとってもメリットが大きく、多くの自治体が率先して取り組んでいる。
インフラなどの維持管理に比べれば優先度はどうしても高くなりにくいものの、そのメリットの大きさからできる限り手を尽くそうとする自治体は多い。一方で、ポータルサイトなどを中心に競争が激化していて、一般の営利事業者と同じようなマーケティングや販促活動が必要になっている。
その上で昨年10月から施行されている「50%ルール(5割ルール)」によって、担当者はより工夫を迫られることとなり、課題として挙げる自治体や事業者も増えてきた。
50%ルールとは、送料を含めた1年間の費用総額が寄付総額の50%以内とするよう定められたもので、過度な競争やコストから納税額が犠牲にならないようにする目的がある。
課題解決に必要なのはコレ
ふるさと納税担当者は最新のマーケティング能力が求められている。
自治体の多くの事業は、税収や交付金などあらかじめ決められた予算範囲内と予測できる収入を元に計画されている。
一方でふるさと納税は一般の営利企業と同じ競争にさらされており、不確実性の高い事業になっている。
そのため、自治体の中にはコンサルティング会社やマーケティング会社を引き入れて、協業する事例も見られている。
かつては品物が良ければ伸びるという傾向があったが、最近ではいずれの自治体も返礼品開発やその質の向上に尽力していて、どうしても品物だけでは埋もれてしまう。
『ただ出品するだけでは全く見向きもされない。』ということもあり得ている。
そうした状況から、「返礼品は良いのに、どうして寄付額が集まらないのだ?」という感想や声も聞かれることもある。
あるいは、寄付額全体が伸びていてもあくまで返礼品のブランドが選ばれていて、他の産品は全く見向きされておらず特定の会社の品だけ伸びているという事例も多々ある。
ふるさと納税の担当者になった時点で、今までやっていた仕事の性質から180度違った、アクティブで挑戦的な対応が求められてしまう。PRの課題や50%ルールをクリアするために、協力者を求めたり相談するのは自然な流れかもしれない。
以下、参考文献
・NAVICUS.【ふるさと納税】自治体担当者「4割弱がPR手法に課題」.PRTIMES.2024-03-25(参照日:2024-03-25)
いかがでしたでしょうか。
「ココふる」は現地消費型ふるさと納税サービスの情報ですが、ふるさと納税に関わるさまざまな情報はもちろん、自治体様の抱えるお悩みや解決にいたった情報、また自治体様へのインタビューを定期的にお届けいたします。