和洋中などのいろいろなメニューが食べられるレストランはワクワクしてしまうものです。
ただ、世間のイメージでは、目玉メニューがあるほうがこだわりがあって美味しいと思われがちではないでしょうか?
しかし、洞爺湖にある「レストラン&フラワーKARZZ」は、和洋中エスニックのメニューを揃えていながら、「どのメニューも美味しい!」と評判のレストランです。
スープカレー、ピザ、パスタ、マグロ丼、ステーキ丼、タイ料理のトムヤムクンなどもメニューにあるのですが、どのメニューもお客さんを夢中にさせています。
なかには、「レストラン&フラワーKARZZでは、本格的なタイ料理が食べられる」と近くの市町村に住んでいるタイ人まで車で通ってくるほどです。
ここはまさに令和のネオ食堂!
いったいどんな人が作っているのでしょうか?レストラン&フラワーKARZZの味と魅力に迫ってみました。
1.レストラン&フラワーKARZZとは?
レストラン&フラワーKARZZは、岡山県玉野市出身の池田和子さん(オーナー)が2010年に始めたお店です。
レストラン&フラワーKARZZの特長は、洞爺湖周辺のこだわった仕入れ先と夫婦で分担された得意料理の幅広さです。
「洞爺湖周辺で採れる美味しい野菜やお肉を食べてほしい」という想いで、洞爺湖町周辺の野菜などの仕入れにこだわってきました。
洞爺湖が生んだこだわりの素材を調理するのは、オーナーの池田和子さんと大将と呼ばれる旦那さんのご夫婦!
大将の得意料理は和食で特にお出汁を取る料理が得意だそうです。岡山で料理人として働いていた時は、1日に200食や300食も出る宴会メニューを作っていました。
一方で、奥さんの池田和子さんの得意料理は洋食やエスニックです。池田さんは、若い頃にオーストラリア、ハワイと移り住んで働いた経験があります。その時に食べ歩いた本場の人が作る中華やイタリアン、タイレストランの味が忘れられず、東京に移り住んでから自分で作っていました。
特にタイ料理へのこだわりはすごいです。東京でタイの王宮シェフが書いた料理本を読み、上野のアジアスーパーで本場の調味料を仕入れていたら、職場のホテルで働く外国人の友人を驚かせるほどの腕になったとのこと!
お二人のこだわりと人生が反映され、レストラン&フラワーKARZZのメニューは和洋中エスニックまでカバーされています。
2.レストラン&フラワーKARZZの外観
レストラン&フラワーKARZZは、洞爺湖温泉街の西側のクイーンズタウンというテナントビルに入っています。
お店の外を眺めているとビックリするのが、のぼり旗の数です。
ラーメン、スープカレー、ピザまではわかるのですが、「本場の味 タイ料理」や「ぽかぽかのお鍋」と書かれたのぼり旗まであり、まるでテナントビルの中に複数のレストランが入っているかのような装い。
さらに追い打ちをかけるように驚かされるのは、外に出されていたメニューです。
ラーメン、パスタ、ピザ、ハンバーグ、ステーキに混じり、和牛のすき焼きやトムヤムクンスープ、キムチポックンパまであります。
チェーン店ならまだわかるのですが、個人のやっているお店でこのメニューの豊富さはすごいのではないでしょうか?
いったいどんなお店だろう?と鉄の扉を開けて店内に入ると、そこにはアットホームなお店がありました。
テーブルが3つ、カウンターが3席あり、合計で17席ほどあります。
お店の壁際にはお店を訪れた有名人のサインがあり、『シティーハンター』の冴羽獠役でお馴染みの神谷明さん、『機動戦士ガンダム』のアムロレイ役でお馴染みの古谷徹さんなどの色紙が飾ってありました。
後で聞くと、『シティーハンター』の冴羽獠役をやられている神谷明さんはこのお店がお気に入りだそう。毎年6月に「TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」にゲストで呼ばれるたびに、洞爺湖のこのお店を訪れているそうです。
洞爺湖を訪れる有名人や外国人まで夢中にさせてしまうレストラン&フラワーKARZZ。
いったいどんな美味しさなのでしょうか?
3.タレだけでご飯を食べられるステーキ丼
レストラン&フラワーKARZZのオススメのメニューはたくさんあるのですが、一度では食べきれません!迷った末に牛ステーキ丼を選んでみました。
牛肉も野菜も北海道産で作られているこだわりの牛ステーキ丼です。
注文をすると、大将が真剣な顔をして、厨房で鍋をふるっています。
運ばれてきたステーキ丼には、牛ステーキ丼、じゃがいものポタージュ、野菜のサラダ、ポテトサラダ、漬物が付いていました。
さっそくジャガイモのポテトサラダを口に入れてみると、驚きです。「え?ポテトサラダってこんなに甘いの!?」と思わず漏らしてしまいました。
それほど甘味が濃く、まるでデザートかと思うほど。野菜はこんなに甘かったのかと感動してしまいました。
同じくジャガイモで作られたポタージュをスプーンですくって食べてみると、ジャガイモの香りと味が甘くて濃厚です。なのに、後味が爽やかで、とても美味しいポタージュでした。
後でお話を聞くと、「洞爺湖町の隣にある真狩村のお百姓さんの作ったジャガイモで作っているんです。断面が黄色くてデンプンがたっぷりで、包丁で切ると付くほどですよ」と大将は笑っていました。
続いて食べてみたのが、牛ステーキ丼です。
ミディアムレアで焼き上げられた北海道牛のお肉を食べてみると、柔らかくて噛めば噛むほど脂が出てきます。
食感的にはステーキなのに、まるでローストビーフを食べているような感覚になりました。
そこも大将が工夫をされていて、「焼いた後に火を止めて余熱で調理するので、ローストビーフのような食感を出せるんです」と言っていました。
また、刻みわさびを加えることで、刺身に近い組み合わせになり、味の変化を楽しめます。
そして、なんと言っても美味しかったのがタレです!自家製のタレが美味しく、タレだけでご飯を食べられます。
レストラン&フラワーKARZZはタレやソースを工夫しているそうで、オーナーの池田さんは、こう言いました。
「近所のスナックのママはうちのペスカトーレを食べて、『ご飯ちょうだい!ペスカトーレのソースにかけたいわ』と言って、食べてたんですよ(笑)」
すごいエピソードですが、牛ステーキ丼のタレの美味しさを知ると、納得してしまいます。
他にも付いていた野菜のサラダもトマトの甘味が美味しく、どれも感動する牛ステーキ丼のセットでした。
4.レストラン&フラワーKARZZのご夫婦にインタビューしてみた
メニューは和洋中エスニックまでカバーし、有名人や外国人、地元の人を虜にしているレストラン&フラワーKARZZ。
「なぜ、こんなお店が洞爺湖にあるのだろう?」「どうしてお店の名前にフラワーとついているのだろう?」と思って、オーナーの池田和子さんに移住されたキッカケを質問してみました。すると、返ってきたのは2008年の洞爺湖サミットに関連したワールドワイドなエピソードの数々でした。
もともと池田和子さんは岡山県出身。20代の頃にオーストラリアへワーホリに行き、そこで見つけた仕事の支店の関係でアメリカのハワイに移り住みました。
しかし、ある日ハワイのホテルで、従業員がホテルに飾る花を運んでいるのを見て思ったそうです。
「花には人を笑顔にさせる力がある。私もフローリスト(冠婚葬祭や企業、ホテルで花の装飾をする仕事)の仕事をやってみたい」
そう思った池田さんは、30代の初めに東京の専門学校に入ります。卒業後に東京のホテルで働き、そのつながりで2002年に洞爺湖のウィンザーホテルでフローリストの支配人として働き始めました。
2008年には働いていたホテルが洞爺湖サミットの会場になり、池田さんは世界の首脳のルーム装花や館内装花を手がけます。
そこで世界の首脳やゲストたちに料理を振る舞うシェフを見続けて思ったそうです。
「花もそうだけど、食にも人を幸せにできる力がある。私もそんな仕事をしたい」
そう思った池田さんは、7年間働いたウィンザーホテルを辞め、なんと40代で洞爺湖で食とお花を手がけるレストランを開いたのです!
お店の名前に「レストラン」「フラワー」「KARZZ(和子)」は、池田和子さんの人生の全てが込められていました。
旦那さんとは、地元の岡山県玉野市で開かれた同窓会に出て再会したことがきっかけです。2010年に始めたお店は、2014年くらいから小中学校が一緒だった今の旦那さんと夫婦で二人でやる体制になりました。
何事にも直感を信じ、花や外国の料理など興味が湧いたことにパワフルに追求する池田さん。
一方で、大将と呼ばれる旦那さんは、「私は日本食や日本製品が好きです」という対照的な性格。二人の人生と興味、追求する姿勢が、レストラン&フラワーKARZZの多種多様な美味しいメニューを生み出している秘密のようです。
まとめ
池田さんが洞爺湖でレストランを開いてからの13年間。この間に東日本大震災やコロナ禍があり、決して順調ではなかったと言います。
しかし、海外生活やフローリストと同じように、レストランも好きなことだから朝から晩まで頑張れたそうです。
それが味とメニューの追求につながり、今の繁盛につながっているのだと感じました。
ランチだけでなく、夜のディナーにはお酒も出ます。
洞爺湖温泉のホテルからも近いので、ぜひ一度行ってみてください。どのメニューも美味しいというのは本当にびっくりします。
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